福島県立医科大学 研究成果情報

英国科学誌「International Journal of Social Psychiatry 」掲載(令和6年10月6日)(2024-10-25)

Pre-disaster family visits and post-evacuation return to Fukushima among psychiatric inpatients evacuated to out-of-area hospitals after the nuclear accident

福島原発事故後に県外病院へ避難した精神科入院患者における避難前の家族面会と避難後の福島への帰還との関連

本間(照井) 稔宏 (ほんま(てるい)・としひろ)
医学部神経精神医学講座 併任助教
        
研究グループ
【社会精神保健チーム(Social Psychiatry and Mental Health: SPMH Lab.)】
佐倉(鈴木)祐子1, 2、本間(照井)稔宏1、國井泰人3、各務竹康4、日髙友郎4、後藤大介1、安西信雄5、丹羽真一6、矢部博興7
1 福島県立医科大学医学部神経精神医学講座
2 東京医療学院大学保健医療学部看護学科
3 東北大学災害科学国際研究所・災害精神医学分野
4 福島県立医科大学医学部衛生学・予防医学講座
5 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科
6 福島県立医科大学会津医療センター精神医学講座
7 福島県立医科大学こころと脳の医学講座

概要

論文掲載雑誌:「International Journal of Social Psychiatry 」(October 6, 2024)


福島原発事故により、福島県内の精神科病院に入院していた精神科患者は県内外の病院への避難を余儀なくされました。本研究では、福島県外の病院に避難した精神科入院患者において、避難前の家族の面会の有無が避難後の福島県への帰還に影響するかを検討し、家族に関する要因が大規模災害による病院避難後の患者の生活に与える影響について知見を得ることを目的としました。

解析の結果、福島への帰還までの期間の平均は、家族の面会がなかった患者に比し、あった患者が短い傾向にありました。この結果から、精神科入院患者において心身の疾患だけでなく、家族との繋がりも避難後の帰還のしやすさを予測し得ることが分かりました。平時の地域移行を目指すためだけでなく、予期せぬ大規模災害による長距離避難後にいち早く故郷に戻るためにも、支援者側から家族の連携を求めていくことは重要であることが考えられます。(本間(照井) 稔宏)


連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部 神経精神医学講座 本間(照井)稔宏

電話:024-547-1331

FAX:024-548-6735
講座ホームページ:http://fmu-hpa.jp/neuropsy/index.html

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