福島県立医科大学 研究成果情報

スイス科学誌「Frontiers in Public Health」掲載(令和6年7月29日)(2024-09-11)

Group of longitudinal adverse event patterns after the fourth dose of COVID-19 vaccination with a latent class analysis

COVID-19ワクチン4回接種後の有害事象の縦断的パターンの潜在クラス分析

山本 知佳 (やまもと・ちか)
放射線健康管理学講座 助手
        
研究グループ
山本知佳, 小橋友理江, 川村猛, 西川佳孝, 齋藤宏章 ,小黒文弥, 趙天辰, 瀧田盛仁,澤野豊明, 尾崎章彦, 阿部暁樹, 伊東尚美, 金子雄大, 中山綾, 涌井昌俊, 児玉龍彦, 坪倉正治

概要

論文掲載雑誌:「Frontiers in Public Health」(July 29, 2024)


・潜在クラス分析より、COVID-19ワクチン2回目から4回目接種後の副反応の経時的なパターンと副反応に影響を与える要因を調査した。

・福島県内の住民から参加者を募集し、COVID-19 mRNAワクチンの4回目接種を完了した個人を対象とした。本研究では、2021年9月から2022年11月に福島県相馬市、南相馬市、平田村、いわき市にて実施されたアンケート調査と血液検査データを利用し、記述統計、潜在クラス分析、多変量ロジスティック回帰分析および重回帰分析を実施した。副反応を経時的に分析することで、潜在クラス分析により副反応をほとんど経験しない群(グループ1)と、副反応をより多く経験する群(グループ2)の2つの明確なグループを特定した。

・副反応がなかった参加者を除外した後、合計1,175名の参加者が含まれた。グループ1の参加者の年齢中央値は70歳、グループ2では51歳であった。女性参加者の割合はグループ1で298名、グループ2で353名であった。グループ2の参加者はグループ1の参加者よりも有意に若く(p < 0.001)、女性である可能性が高かった(p < 0.001)。さらに、アレルギーの既往歴がグループ2に有意に関連していた(p=0.033)。

・年齢以外の要因、特に性別やアレルギーの既往が副反応の発生可能性に大きく影響することを示唆された。副反応の経時的なパターンに基づいて分類されたグループは、ワクチン接種戦略の最適化や公衆衛生対策の策定において有益であると期待された。

(山本 知佳)


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