
- 稲永亮平 (いななが・りょうへい)
- 大学院医学研究科 臨床疫学分野 博士課程

- 栗田 宜明(くりた・のりあき)
- 大学院医学研究科 臨床疫学分野 特任教授
- 研究グループ
- 稲永亮平・栗田宜明・會田哲朗(福島県立医科大学大学院医学研究科臨床疫学分野)、戸井田達典(九州保健福祉大学)、鈴木智・松波昌寿・川地淳朗・登石匠(亀田総合病院)、岡田唯男・金久保祐介・鵜飼万実子(亀田ファミリークリニック館山)、宗像優(むなかたクリニック)
概要
論文掲載雑誌「Clinical Journal of the American Society of Nephrology」(令和5年12月21日)
日本の血液透析患者を対象に質問紙調査を行い、健康に関する情報を入手して適切に活用する力(ヘルスリテラシー)が服薬を指示通りに続ける程度(服薬の遵守度)にどのように影響するか、またこの影響が医師への信頼度によってどのように中継されるかを調査しました。
その結果、機能的なヘルスリテラシーと伝達的なヘルスリテラシーは、服薬の遵守度と良い関係があることが分かりましたが、批判的なヘルスリテラシーは服薬の遵守度が低下する傾向がありました。さらに、これらのヘルスリテラシーと服薬の遵守度の関係は、医師への信頼によって中継される可能性が示されました。言いかえると、健康情報を理解する力が高いほど、服薬の遵守度が高くなりますが、これは医師の治療の説明などに対する信頼が役割を果たしており、信頼するほど医師の指示通りに服薬を続けられる傾向があるという説明です。
この結果から、血液透析患者の服薬の遵守度を向上させるためには、適切なヘルスリテラシーに対応したアプローチだけでなく、医師との信頼関係の構築も重要であることが確認できました。
(稲永 亮平)
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 大学院医学研究科 臨床疫学分野
TEL:大学代表024-547-1111(代)/FAX:024-547-1468
分野ホームページ:https://noriaki-kurita.jp/
メールアドレス:kuritan@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため、全角やスペースを含む表記をしています)