
- 丹野 大樹 (たんの・だいき)
- 保健科学部臨床検査学科 助教
- 研究グループ
- 丹野大樹123、斎藤恭一23、富井康明 4、 中塚由香利5、上地幸平6、大橋一孝2、 日高友郎7、山寺幸雄2、羽田敦子8、 豊川真弘123、志村浩己23
1) 福島県立医科大学保健科学部臨床検査学科
2) 福島県立医科大学附属病院検査部
3) 福島県立医科大学医学部臨床検査医学講座
4) 社会福祉法人恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院医療技術部臨床検査科
5) 公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院臨床検査部
6) 琉球大学医学部附属病院検査・輸血部
7) 福島県立医科大学医学部衛生学・予防医学講座
8) 公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院小児科
概要
論文掲載雑誌:「Japanese Journal of Infectious Diseases」(令和5年10月31日)
Streptococcus agalactiae (Group B Streptococcus:GBS)は、10~30%の妊産婦の膣や便中から検出され、母子垂直感染により新生児に重症GBS感染症を引き起こすことが知られています。その重篤性からすべての妊婦に対してGBSスクリーニング検査の実施が推奨されていますが、本邦では検出感度が低いとされる直接法がいまだ主流の検査法として実施されています。今回、我々は、欧米で採用されている検出感度の高い増菌培地を用いたGBS検出法(増菌法)の有用性を評価するために、愛育病院(東京)、北野病院(大阪)、福島医大病院(福島)、琉球大学病院(沖縄)とともに全国多施設で共同研究を行いました。
本研究は、増菌培地を使用した増菌法やラテックス法が直接法に比べ有意にGBS検出率を増加させること、また、直接法では17.3%のGBS保菌妊婦をGBS陰性と誤報告してしまう可能性があることを明らかにしました。本研究により、本邦においても選択的増菌培地を用いたGBSスクリーニング検査を実施することが強く推奨され、今後、増菌法が本邦のGBSスクリーニング検査の主流として実施されていくことが大きく期待されます。
(丹野 大樹)
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 保健科学部 臨床検査学科
TEL:024-581-5503(代)/FAX:024-581-5528
保健科学部ホームページ:https://fmu-hs.jp/
メールアドレス:dtanno@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため、一部全角表記しています)