- 遠藤 圭一郎 (えんどう・けいいちろう)
- 循環器内科学講座 博士研究員
- 研究グループ
- 遠藤 圭一郎、福島 賢慈、片平 正隆、喜古 崇豊、山國 遼、右近 直之、清水 竹史、石井 士朗、八巻 尚洋、伊藤 浩、竹石 恭知
今回の受賞について
日本心臓核医学会
日本心臓核医学会は心臓核医学に関する基礎および臨床研究の推進とその普及を図り、それを通じて学術文化の発展に寄与すると共に、国際協力につとめ、広く人類の福祉に貢献することを目的としています。
賞について
日本心臓核医学会では、40歳未満の若手研究者を対象に、心臓核医学に関する臨床および基礎研究について優れた研究を表彰しています。
概要
【目的】
Diastolic fillingやvortex flowなどの左室内血流は、壁運動や心筋血流に関連する重要な指標である。近年4D-flow MRI (4DMR)による可視化技術が開発され、3次元での血流評価及び定量化が可能となった。我々は13N-アンモニアPET/MRを用いて虚血時心筋血流と左室内血流の同時解析による有用性を検証した。
【対象と方法】
対象は冠動脈疾患の診断または疑いでアデノシン負荷13N-アンモニアPET/MRを施行した40例 (平均67歳、男性33名)。負荷中にPET心筋血流と4DMRのdynamic撮像を同時に行い、心筋血流予備能 (MFR)、左室流入/流出血流 (LV inflow/outflow)を解析した。左室内血流パターンからNormal flow群 22例、Abnormal flow群 18例に分類した。
【結果】
MFRとLV inflowおよびoutflowは有意に相関した (inflow: R = 0.552, P < 0.001; outflow: R = 0.563, P < 0.001)。左室内血流パターンではNormal flow群に比して、Abnormal flow群でglobal MFRが有意に低下し (1.931 ± 0.775 vs. 1.484 ± 0.559, P = 0.048)、領域毎の解析では前下行枝領域のMFRが有意に低下していた (1.881 ± 0.791 vs. 1.405 ± 0.526, P = 0.035)。
【結論】
負荷時左室内血流は心筋血流予備能と関連し、特に前壁の虚血症例では左室内異常flow patternが認められた。PET/MRを用いた心筋血流と左室内血流の同時解析は、虚血重症度の新たな指標となり得ると考えられた。
関連サイト
- 日本心臓核医学会
https://www.jsnc.org/
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 循環器内科学講座
TEL:024-547-1190 / FAX:024-548-1821
講座ホームページ:https://www.fmu.ac.jp/home/int-med1/intmed1main.htm
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