- 池田 和彦(いけだ・かずひこ)
- 医学部 輸血・移植免疫学講座 主任教授
- 皆川 敬治(みなかわ・けいじ)
- 附属病院 輸血・移植免疫部 検査技師
- 横川 哲朗(よこかわ・てつろう)
- 医学部 循環器内科学講座 (留学中)
- 研究グループ
- 福島県立医科大学医学部
輸血・移植免疫学講座(輸血・移植免疫部) 皆川敬治、植田航希、三浦里織、佐藤友香、三村耕作、NOLLET Kenneth、池田和彦
循環器内科学講座 横川哲朗、三阪智史、君島勇輔、和田健斗、冨田湧介、中里和彦、竹石恭知
血液内科学講座 小川一英、池添隆之
病理病態診断学講座 橋本優子
山形大学医学部遺伝子実験センター 中島 修
概要
論文掲載雑誌:「Journal of Hematology & Oncology」(2021年3月30日)
骨髄増殖性腫瘍は、活性化した血液細胞が増加する疾患群で、血栓症など様々な心血管系の合併症を引き起こします。肺高血圧症も、骨髄増殖性腫瘍にしばしば起こることが知られていました。しかし、骨髄増殖性腫瘍と肺高血圧症の直接の関わりは不明でした。
CALR遺伝子のフレームシフト変異は骨髄増殖性腫瘍の原因として2番目に多い遺伝子変異として、2013年に報告されました。そこで私たちは、CRISPR-Cas9法によってマウスのCalr遺伝子にフレームシフト変異を導入したノックインマウス(Calr-del10マウス)を作成しました。Calr-del10マウスは、骨髄増殖性腫瘍のなかでも、血小板が主に増える、本態性血小板血症とよく似た造血の状態になりました。Calr-del10マウスから骨髄細胞を採取して移植して、移植を受けたマウスを低酸素に曝露すると、肺血管周囲に活性化したCalr-del10由来のマクロファージが集まり、刺激によって肺血管壁が厚くなって、肺高血圧症を発症しました。
この研究によって、新たな疾患モデルが確立され、CALR変異と骨髄増殖性腫瘍、肺高血圧症の関わりが示唆されました。
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 輸血・移植免疫学講座
電話:024-547-1539
FAX:024-549-1529
講座ホームページ:https://www.fmu.ac.jp/home/yuketsu/
メールアドレス:yuketsui@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため、一部全角表記しています)