福島県立医科大学 研究成果情報

米国雑誌「Journal of Bone and Mineral Research」掲載(36巻1月号, 2021年)(2021-02-25)

Type I Angiotensin II Receptor Blockade Reduces Uremia-Induced Deterioration of Bone Material Properties

I型アンジオテンシンII受容体遮断薬は尿毒症に伴う骨材質特性の劣化を緩和する

風間 順一郎 (かざま・じゅんいちろう)
医学部 腎臓高血圧内科学講座 教授
        
研究グループ
研究代表(=論文の責任著者) 風間順一郎 (福島医大腎臓高血圧内科) 他、若松拓也(新潟大)、山本卓(新潟大)、岩崎香子(大分県立看護大)、田中健一(福島医大腎臓高血圧内科)など、福島医大、新潟大、大分県立看護大、大阪大、京都大、東海大などの多施設に渡る研究グループによる共同研究

概要

論文掲載雑誌:「Journal of Bone and Mineral Research」(36巻1月号, 2021年)


 I型アンジオテンシンII受容体遮断薬を服用している透析患者は、全骨折や股関節骨折による入院リスクが有意に低かった。慢性腎障害に陥ったラットでは、骨のアパタイト配向性は低下し、結晶性は低下し、ペントシジンマトリックス比率は上昇し、結果として弾性力学特性は低下した。組織学的には骨細胞のいない骨小窩が増加した。I型アンジオテンシンII受容体遮断薬であるオルメサルタンの使用は上記の全ての所見を有意に緩和させたが、骨量は増やさなかった。マウス頭蓋骨から採取した骨細胞培養系へアンジオテンシンIIを添加すると、培養骨細胞は活性酸素を産生しアポトーシスに至った。この培養系にオルメサルタンを加えると、培養骨細胞の酸化ストレスは抑制され、アポトーシスは減少した。


連絡先

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