福島県立医科大学 研究成果情報

米国雑誌「BioResearch Open Access」掲載(令和2年4月)(2020-09-01)

Goshajinkigan, a Traditional Japanese Medicine, Suppresses Voltage-Gated Sodium Channel Nav1.4 Currents in C2C12 Cells

伝統的な日本の薬である牛車腎気丸はC2C12細胞の電位依存性ナトリウムチャネルNav1.4電流を抑制する

今井 亮太 (いまい・りょうた)
医学部 病態制御薬理医学講座 大学院生 (博士課程)
        
研究グループ
今井亮太1、堀田彰一朗1、大野雄康1,2、萩原圭祐3、清水 優1,4、前島裕子1、下村健寿1
1福島県立医科大学大学院 医学研究科 病態制御薬理医学講座
2神戸大学大学院 医学研究科 外科系講座 災害・救急医学分野
3大阪大学大学院 医学系研究科 先進融合医学共同研究講座
4松村総合病院 脳神経内科

概要

論文掲載雑誌:「BioResearch Open Access」(令和2年4月)


漢方薬である牛車腎気丸は骨格筋の硬直や痙攣に伴う疼痛の治療のために使用されるが、その改善メカニズムは不明であった。本研究では、骨格筋収縮に重要な電位依存性ナトリウムチャネルNav1.4に着目し、骨格筋細胞C2C12を用いて牛車腎気丸のNav1.4電流に対する影響を電気生理学的に検討した。牛車腎気丸はNav1.4電流を抑制する可能性を明らかにした。牛車腎気丸はNav1.4の異常な活性化に起因する骨格筋の硬直や痙攣、それらに付随する疼痛に有効な可能性が指摘された。本研究成果は福島医大、病態制御薬理医学講座が取り組む「漢方薬の作用機序の科学的解明」の中で漢方薬の作用を科学的に裏付けたという意味においても価値のある研究である。


連絡先

 公立大学法人福島県立医科大学大学院 医学研究科 病態制御薬理医学講座
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