- 安藤 卓也 (あんどう・たくや)
- 医学部 循環器内科学講座 助手
- 研究グループ
- 安藤 卓也、義久 精臣、君島 勇輔、喜古 崇豊、清水 竹史、八巻 尚洋、國井 浩行、中里 和彦、竹石 恭知
概要
論文掲載雑誌:「European Journal of Preventive Cardiology」(令和元年10月15日)
急性心筋梗塞(AMI)患者では、近年の初期救命率の改善にも関わらず、救命後における長期予後は依然不良であり、そのリスク層別化が重要である。栄養障害は高齢者をはじめ、癌患者など多くの患者の長期予後と関連することが知られており、以前、我々は慢性心不全患者における栄養状態と長期予後の関係について報告している。しかしながら、AMI患者における栄養状態と長期予後との関連は不明である。我々はAMIにて入院し生存退院した552名について退院時にGeriatric Nutritional Risk Index (GNRI)およびPrognostic Nutritional Index (PNI)の2つの指標により栄養状態を評価し、退院後の長期予後に関して検討した。両指標を用いて各々3群 (正常栄養群、中間群、低栄養群)に分類し比較検討を行った。平均3.9年間の観察期間において、24例の心臓死を含めた88例の全死亡を認めた。カプランマイヤー解析では、両指標において、正常群から中間群、低栄養群にかけて段階的に総死亡率の上昇を示した。多変量Cox比例ハザード解析にて、GNRIおよびPNI両指標において、低栄養は正常栄養と比較し、独立した予後不良因子であった。さらに、ROC解析では、GNRIはPNIと比して、予後予測能に優れていた。AMI患者において、冠動脈や心機能の評価のみならず、栄養状態の評価を行うことが長期予後の予測に有用であるものと思われた。
連絡先
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