福島県立医科大学 研究成果情報

第49回日本臨床神経生理学会 優秀演題賞(令和元年11月受賞)(2020-01-07)

The effect of omission in complex speech sound stimuli on mismatch negativity in schizophrenia

統合失調症患者における言語音連続刺激の欠落部位がミスマッチ陰性電位に与える影響

森 湧平 (もり・ゆうへい)
医学部 神経精神医学講座 専攻医
        
研究グループ
森 湧平、 星野 大、 志賀 哲也、 菅野 和子、 野崎 途也、 刑部 有祐、 和田 知紘、 高橋雄一、 板垣 俊太郎、 松岡 貴志、 矢部 博興(Cognitive Neuro Psysiology(CNP)チーム)

今回の受賞について

第49回日本臨床神経生理学会


 日本臨床神経生理学会は長い歴史と伝統を誇り、その学術大会には例年約2,000名以上の参加者があり、臨床神経生理学の中心的な役割を果たしています。また、本学会は、脳神経内科学、精神医学、整形外科学、脳神経外科学、リハビリテーション医学、小児科学、検査医学、耳鼻咽喉科学、心理学など様々な分野の研究者が集う学際的な学会です。

賞について


 応募演題の中から査読委員の評点に基づいて選ばれた優秀演題賞候補の中から、口演発表の評価も加味して受賞者を選定されるものです。

概要

 ミスマッチ陰性電位(Mismatch Negativity:MMN)は、聴覚性感覚記憶を基盤とした無意識認知を反映する精神生理学的反応です。聴覚一次野が発生源とされ発生にNMDA受容体グルタミン酸受容体が関与しています。近年、統合失調症患者において発症前駆期のMMN異常が注目され、今後簡便に測定できるバイオマーカーとしての臨床応用が期待されています。

今回、聴覚性感覚記憶の時間統合窓に相当する約170msの時間長の言語音刺激を用い、その欠落部の時間的位置の違いが統合失調症患者におけるMMNに与える影響について、健常者を対照に調査しました。その結果、統合失調症患者群においては、健常対照群と異なるMMNの誘発パターンが発現しました。これにより、統合失調症におけるMMN異常の一部は時間統合機能の障害によって生じていることが示されました


関連サイト

連絡先

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