福島県立医科大学 研究成果情報

米国雑誌「Scientific Reports」掲載(令和元年12月)(2019-12-20)

The hypothalamus to brainstem circuit suppress late-onset body weight gain

脳室傍核から延髄への神経回路は加齢に伴う体重増加を抑制する

前島 裕子(まえじま・ゆうこ)
医学部 病態制御薬理医学講座 特任教授

堀田 彰一朗(ほりた・しょういちろう)
医学部 病態制御薬理医学講座 講師

下村 健寿(しもむら・けんじゅ)
医学部 病態制御薬理医学講座 教授

        
研究グループ
病態制御薬理医学講座 前島 裕子、堀田 彰一朗、下村 健寿
生体機能研究部門 加藤 成樹、小林 和人

概要

論文掲載雑誌「Scientific Reports」(令和元年12月)


 現在、拡大する肥満の病態解明には体重の制御機序を解明しなければなりません。今回、私たちは加齢に応じて活性化し、体重を制御する『新しい神経回路』を発見しました。

 今回発見した『新しい神経回路』は成長期の子供においては休止しています。成人に達し、体の成長が止まるとこの神経回路が活性化することで、脂肪蓄積を抑制し、「体重の成長(=増加)」を止めます。

 遺伝子の操作によって大人ラットでこの神経回路を不活化させると加齢に伴う体重の増加が止まることなく、継続していくことがわかりました。

 成長期にある幼若ラットに高脂肪食を食べさせてもこの神経回路は活性化します。

 この神経回路は成長期から大人にいたるまで年齢に応じた適正体重を維持する働きがあると考えられます。この神経回路に変調をきたすと肥満になる可能性も考えられることから今後のさらなる研究が期待されます。


連絡先

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