- 井上 直和(いのうえ・なおかず)
- 医学部附属生体情報伝達研究所 細胞科学研究部門 准教授
- 研究グループ
- 福島県立医科大学医学部附属生体情報伝達研究所細胞科学研究部門
齋藤 貴子助教、和田 郁夫主任教授、井上 直和准教授
概要
論文掲載雑誌:「Scientific Reports」(平成31年2月28日)
何らかの理由で機械が誤作動を生じた場合、それを安全に制御するようなシステムがフェイルセーフです。例えば、自然災害等により、病院が停電しても自家発電によって電気の供給は遮断されませんし、医療機器を誤操作した際には、自動的に停止します。このフェイルセーフシステムが哺乳類の受精にも存在することが、本研究によって見出されました。
哺乳類の受精は、精子側の融合因子IZUMO1が、卵子側のIZUMO1受容体JUNOを特異的に認識することで成立します。我々は、配偶子融合に必須なIZUMO1が、選択的スプライシングによって第二のIZUMO1遺伝子 (IZUMO1_v2) を産生していることを発見し、オリジナルのIZUMO1 (IZUMO1_v1) の転写に何らかの障害が生じた際に、第二のIZUMO1遺伝子が代わりに受精に機能していることを、遺伝子編集マウスを用いた種々の実験により明らかにしました。
本研究は、マウスにおける発見ですが、同じ哺乳類であるヒトにおいても同種のシステムが存在する可能性があります。このシステムを利用して、IZUMO1遺伝子を効率的に発現させる医薬品が開発されれば、男性不妊症の治療法として有効かもしれません。
本研究内容は、2019年3月1日付の福島民報新聞、福島民友新聞、毎日新聞の朝刊に掲載されました。
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