福島県立医科大学 研究成果情報

欧州放射線科系国際誌「European Radiology」掲載(2019年3月23日掲載)(2019-03-28)

A Novel Volume-Reduced CT Colonography Regimen Using Hypertonic Laxative ( polyethylene glycol with ascorbic acid ) : Randomized Controlled Trial

高張型下剤を用いた大腸CT検査の新たな腸管洗浄法: 無作為比較試験

歌野 健一 (うたの・けんいち)
会津医療センター 小腸・大腸・肛門科学講座 准教授
        
研究グループ
歌野健一1、高柳大輔1、永田浩一2、愛澤正人1、遠藤俊吾1、根本鉄太郎1、根本大樹1、五十畑則之1、アランレフォー3、冨樫一智1
 1. 福島県立医科大学会津医療センター小腸・大腸・肛門科学講座
 2. 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 検診研究部
 3. 自治医科大学外科

概要

論文掲載雑誌:「European Radiology」(2019.3.23)


大腸がんのスクリーニング法としては内視鏡検査が第一選択の検査法であるが、1.5リットル以上の腸管洗浄液を検査前に内服する必要がある。一方、大腸CT検査(大腸3D-CT検査)は20年以上前に開発され、欧米では標準的な大腸スクリーング検査法としてすでに確立されているが、下剤の服用量が内視鏡検査と同様に多い欠点が指摘されている。しかし、昨今、登場してきたfecal tagging(造影剤により便塊を標識する方法)や炭酸ガス自動注入器(腸管内に炭酸ガスを自動的に注入する装置)により、少量の下剤服用によっても、大腸CT検査が可能ではないかと考えられるようになった。

この度、私たちの研究グループが行った無作為比較試験により、0.4リットルの高張型下剤を用いた大腸CT検査の画質が、0.8リットルの高張型下剤を用いた検査と比較して劣らないことが実証された。汎用型機器を用いた大腸CT検査においては世界最少量の下剤により良質の画像が得られたという研究成果であった。


連絡先

 公立大学法人福島県立医科大学 会津医療センター 小腸・大腸・肛門科学講座
 准教授 歌野 健一

 電話:0242-75-2100(内線2032)

 FAX:0242-75-2150
 講座ホームページ:https://www.fmu.ac.jp/amc/ (会津医療センター公式HP)

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