
- 肱岡 奈保子 (ひじおか・なおこ)
- 医学部 循環器内科学講座 助手
- 研究グループ
- 肱岡奈保子、上岡正志、松本善幸、野寺穣、山田慎哉、金城貴士、義久精臣、石田隆史、竹石恭知
概要
論文掲載雑誌「Journal of Cardiovascular Electrophysiology」(平成30年12月)
インスリン抵抗性はメタボリックシンドロームの要因に含まれており、メタボリックシンドロームは様々な心臓病に関連があることが示されている。非糖尿病患者のインスリン抵抗性が発作性心房細動における肺静脈隔離術後の長期洞調律維持に関与するかについて検討した。
連続114例の発作性心房細動患者に対し肺静脈隔離を行った。入院時のインスリン値に基づき、2群(非インスリン抵抗性患者群、インスリン抵抗性患者群)に分類しアブレーション後の心房細動再発の有無について比較検討した。結果は2群間において、血中の炎症性サイトカイン、線維化マーカー、術前後の左房容積については差を認めなかった。しかしインスリン抵抗性患者群においては左房内の心筋伝導速度が有意に低下しており、左房伝導障害という電気的リモデリングをきたすことが示唆された。術後の再発率はインスリン抵抗群において有意に多いことが示され、Cox比例ハザード解析ではインスリン抵抗性は肺静脈隔離術後の再発に関して独立した予後予測因子であることが示された。本研究においてインスリン抵抗性は左房心筋の電気的リモデリングを引き起こすことで長期的な洞調律維持を阻害していることが示唆された。
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