
- 鈴木 聡 (すずき・さとし)
- 医学部 循環器内科学講座 博士研究員
- 研究グループ
- 鈴木 聡、義久 精臣、佐藤 悠、菅野 優紀、渡邊 俊介、阿部 諭史、佐藤 崇匡、及川 雅啓、小林 淳、八巻 尚洋、国井 浩行、中里 和彦、石田 隆史、竹石 恭知
概要
論文掲載雑誌:「Journal of American Heart Association」(2018年9月号)
急性心不全における短期予後予測や、慢性心不全における緩和医療、心移植を含む心不全治療方針の決定に際して、患者背景、併存疾患、治療内容などを統合した包括的なリスク層別化スコアの有用性が近年報告されている。Get With the Guidelines–Heart Failure (GWTG-HF) risk scoreは、米国における急性心不全患者において複数のリスク因子を検討し、最終的に人種、年齢、収縮期血圧、心拍数、血清尿素窒素値、ナトリウム値、慢性閉塞性肺疾患の有無に関する7つの変数をもとに算出された急性心不全における院内死亡率を予測するスコアである。一方、慢性心不全における検討はなされていない。今回、我々はGWTG-HF risk scoreによる慢性心不全の予後予測能に関して、検討を行った。心不全退院後の慢性期(平均観察期間966日)において、GWTG-HF risk scoreは、心イベント発生率(hazard ratio 1.584, 95% confidence interval 1.344-1.860)や総死亡(hazard ratio 1.537, 95% confidence interval 1.172-2.023)に関しても予測可能であり、心不全予後予測因子として確立された左室駆出率やB型ナトリウム利尿ペプチド値に加えることで相乗的に予後予測能の向上が認められた。
連絡先
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