福島県立医科大学 研究成果情報

第56回日本癌治療学会学術集会 最優秀演題賞(平成30年10月受賞)(2018-11-13)

糖鎖酵素遺伝子によるステージIII大腸癌の予後バイオマーカー

岡山 洋和 (おかやま・ひろかず)
医学部 消化管外科学講座 講師
        
研究グループ
岡山洋和、野田勝、立花和之進、坂本渉、芦澤舞、中島隆宏、青砥慶太、門馬智之、大木進司、河野浩二

今回の受賞について

第56回日本癌治療学会学術集会


 日本癌治療学会学術集会は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師など会員総数17,000を超え、日本における癌の予防、診断および治療に関わる調査・研究などを行っている本邦最大の領域・職種横断的がん関連学術団体です。第56回は「調和と融合による次世代癌治療」というメインテーマのもと開催されました。

最優秀演題賞・優秀演題賞


 一般演題の中から厳正な審査の上で選定されます。昨年は発表された1470演題のうち、48題が優秀演題に選出され、更に優秀演題の中から8題の最優秀演題が選出されました。

概要

 当研究室では、大腸癌における糖鎖に着目した個別化医療の実現を目指し研究に取り組んで来ました。本研究では、糖鎖の生合成に関与する多数の糖転移酵素遺伝子群について、大腸癌、大腸腺腫組織や大腸癌培養細胞を用いてゲノム・メチル化・遺伝子発現・タンパク発現を解析しました。今回、糖転移酵素遺伝子GALNT6の大腸癌の発癌・進展における意義と癌細胞における機能的役割、さらに同遺伝子が規定する分子亜型について報告しました。GALNT6が発現しない約15%の大腸癌は死亡率が高く、特にステージIIIにおいてその傾向が顕著です。将来的には、ステージIIIに分類される大腸癌患者さんに対して、診療方針を個別化するためのバイオマーカーとしての臨床応用が期待されます。


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