福島県立医科大学 研究成果情報

第27回日本小児泌尿器科学会総会 優秀論文賞(平成30年6月受賞)(2018-08-23)

Infrarenal high intra-abdominal testis: fusion of T2-weighted and diffusion-weighted magnetic resonance images and pathological findings

腎下極高位腹腔内精巣に対するT2強調画像・拡散強調画像融合画像の有用性と病理組織を用いた造精機能の分子病理学的評価

星 誠二 (ほし・せいじ)
医学部 泌尿器科学講座 助手
        
研究グループ
星 誠二、佐藤 雄一、小島 祥敬

今回の受賞について

第27回日本小児泌尿器科学会総会


 日本小児泌尿器科学会は、小児の腎尿路・生殖器疾患の診療と研究を対象とする分野で複数の診療科、コメディカルが係る分野かつ、専門性の高い学際領域です。そのため泌尿器科、小児外科、小児科、看護をはじめとしたコメディカルが協調して、この分野の診療および研究を通して小児泌尿器科分野の発展のために平成4年に設立されました。

賞について


 今回の第27回日本小児泌尿器科学会学術委員会で、1次選考の結果、5論文が優秀論文賞候補演題に採択されました。最終的な選考の結果、本論文が優秀論文賞に採択されました。

概要

 腹腔内精巣においては、術前の精巣の位置が体位や術式に影響を与えるため、術前に精巣の位置を想定できることは治療戦略をとるうえで非常に有用です。我々はその手法として、MRIを利用しています。特に精巣の発見には拡散強調画像(DWI)が有用とされていますが、拡散強調画像は解剖学的な情報を欠くため、リンパ節と精巣との鑑別が問題点とされてきました。

 今回の報告では、DWI画像・T2強調画像融合画像の有用性を報告しました。また2期的F-S法の問題点の1つとして、造精機能障害を来す可能性がマウスの研究で指摘されていましたが、ヒトでの報告はありませんでした。そのため、精巣組織を精子幹細胞マーカーUTF-1を用いて評価することで、2期的F-S法の手術後に造精機能障害が生じる可能性があることを世界で初めて報告しました。

(星 誠二)

 


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