福島県立医科大学 研究成果情報

第106回日本泌尿器科学会総会 総会賞(平成30年4月受賞)(2018-06-06)

Risk-related genes for hypospadias by SNP analysis in Japanese affected the urethral development

一塩基遺伝子多型(SNP)解析による尿道下裂発症リスク関連遺伝子の同定と発現機能解析

胡口 智之 (こぐち・ともゆき)
医学部 泌尿器科学講座 博士研究員
        
研究グループ
胡口智之1)、小名木彰史2)、星誠二2)、秦淳也2)、佐藤雄一2)、赤井畑秀則1)、片岡政雄2)、小川総一郎2)、羽賀宣博2)、細井隆之1)、石橋啓2)、相川健2)、小島祥敬2)
1)一般財団法人竹田健康財団 竹田綜合病院泌尿器科 2)福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座

今回の受賞について

第106回日本泌尿器科学会総会


 日本泌尿器科学会は、明治45年に泌尿器科学の進歩と普及を図り、学術の発展と国民の健康の増進に寄与することを目的として設立されました。同年に第1回総会(学術大会)が開催され、今年4月には第106回日本泌尿器科学会総会が開催されました。

今回の賞について


 総会賞は、日本泌尿器科学会が平成15年に設立し、総会時の応募演題から優秀演題を選出しています。

概要

 

 尿道下裂は代表的な先天性泌尿器科疾患の一つであり、胎生期の尿道形成において尿道板が管腔化されるステップが障害された状態と考えられています。発症には、内分泌攪乱物質の暴露や母胎環境といった環境要因のほか、遺伝子異常や人種差などの遺伝的要因が複雑に絡み合っていることが推察されています。一方、近年ゲノムDNA上の一塩基の差異(一塩基遺伝子多型:SNP)が、疾患の発症や個人の特徴の違いに影響することが報告されるようになり、我々の研究グループは尿道下裂の発症原因の一つにSNPが関与する可能性を考え、本研究を行いました。

 日本人尿道下裂症例のSNP頻度を解析した結果、疾患発症と関連するSNPを特定し、尿道下裂の発症リスク関連遺伝子を同定したほか、疾患の重症度と関連する可能性を見出しました。今回同定した発症リスク関連遺伝子は、雄マウス胎仔の外性器において特徴的は発現パターンを示しており、尿道形成において重要な機能を持つことが推察されました。

(胡口 智之)


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