福島県立医科大学 研究成果情報

独科学誌「Brain Structure & Function」掲載 〔平成27年12月〕(2015-12-02)

Projections from a single NUCB2/nesfatin-1 neuron in the paraventricular nucleus to different brain regions involved in feeding

脳室傍核の単一ネスファチン含有神経細胞は複数の摂食関連脳神経核に投射する

下村 健寿(しもむら・けんじゅ)
医療エレクトロニクス研究講座 教授
前島 裕子(まえじま・ゆう)
医療エレクトロニクス研究講座 准教授
        

概要

論文掲載雑誌: Brain Structure & Function 2015 Dec.2 (ドイツ)

食欲を制御する新しい神経回路の発見
~食欲制御神経ペプチド「ネスファチン」の新たな可能性~

本学 医療エレクトロニクス研究講座の前島裕子 准教授、下村健寿 教授と器官制御外科(竹之下誠一 教授)の共同研究が独科学誌「Brain Structure & Function」(12月2日発表)に掲載されました。

現在、拡大する「肥満」の病態解明には、“食欲がなぜ生じるか”を解明しなければなりません。今回、この食欲を制御する新しい神経回路を発見しました。
今回発見した新しい神経回路は、2006年に発見された脳に作用して摂食量を減らす効果のある神経ペプチド「ネスファチン」を含有した神経細胞によって形成されます。 脳の室傍核(しつぼうかく)に存在するネスファチン含有神経細胞は「Axon collateral」という神経形態を用いて一度に2つの脳の食欲制御領域を同時にコントロールしている可能性が示唆されました。
前島准教授は2009年に、ネスファチンの作用機序の一部を解明しましたが、今回のさらなる発見はまだ未解明な部分が多いネスファチンに新たな作用機序を加えるものと考えられます。

ネスファチンは抗肥満薬としての効果も期待されており、今回の発見は食欲調節機序の解明と同時に肥満治療のための基盤となることが期待されます。


詳細及び各お問合せについては、下記のプレスリリースをご覧ください。

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医療エレクトロニクス研究講座 教授 下村健寿
電話 024-547-1465・024-547-1100 / FAX 024-547-1465
講座紹介ページ〔寄附講座〕 http://www.fmu.ac.jp/univ/sangaku/kifu_koza_list.html#med_ele
メール  (スパムメール防止のため、一部全角表記しています)