福島県立医科大学 研究成果情報

日本小児科学会「日本小児科学会学術研究賞」(平成23年度創設)受賞(2011-06-23)

「小児慢性糸球体腎炎の発症・増悪過程の解明とその治療法の確立に関する 検討」

医学部小児科学講座 准教授 川崎幸彦氏が平成23年度第1回 「日本小児科学会学術研究賞」を受賞しました。

川崎幸彦
福島県立医科大学 医学部小児科学講座 准教授
        

今回の受賞について

【日本小児科学会】
 日本小児科学会は、1896年(明治29年)年に発足した学術団体であり、小児科学に関する学術の進歩ならびに知識の普及をはかり、小児の健康と福祉の向上に寄与することを目的とし、全国の小児科医、約20,300名の会員で構成されています。

【 日本小児科学会学術研究賞 】
当該学会では、小児科学・医療の分野において、顕著な研究業績を挙げられた学会会員を顕彰する「日本小児科学会学術研究賞」を平成23年度より創設しました。

創設元年にあたる本年度、本学の医学部小児科学講座准教授 川崎幸彦氏が選出されました。
学術研究賞選考会は平成22年10月に選考委員により行われ、川崎氏他5名が選ばれました。授賞式は平成23年8月東京で開催された第114回日本小児科学会学術集会で執り行われ、五十嵐隆理事長(東京大学医学部小児科)から賞状と副賞が授与されました。

概要

 受賞概要

川崎氏は、小児腎疾患の臨床病理学的検討と予後不良因子の解析、実験腎炎を用いての腎炎発症・進展に関与する各種因子、化学物質が果たす役割の検討、さらに小児慢性腎疾患の治療法の確立に寄与する検討を続け、数多くの業績を挙げてきました。
同氏は、IgA腎症のモデルマウスであるHIGAマウスを使用し、ウイルス感染時の腎炎増悪機序を詳細に検討しました。また、学校検尿が膜性増殖性糸球体腎炎の予後改善に有効であることや各種腎炎発症時のTh1/Th2バランスに関する検討に加え、腎内の活性化したマクロファージやメサンギウム細胞の形質転換が腎炎発症後の硬化進展因子の一つとして重要であることなどを示し、さらにヒト腎糸球体内皮細胞の特異的マーカーとしてFB21が有用であることを発見しております。このような研究成果を基に新たな治療法の確立を目指し、ネフローゼ症候群、IgA腎症や紫斑病性腎炎などの各種腎炎に対するステロイド剤と免疫抑制剤を組み合わせた多剤併用療法の有効性を示しました。
これらの研究が、腎炎の発症・増悪過程の解明と治療法の確立において、小児医学や医療の発展に寄与する内容であることが評価され、受賞に至りました。

 

受賞略歴

平成17年 第4回小児医学研究振興財団設立準備室
日本イーライリリー海外留学フェローシップ受賞
平成18年 平成17年度 福島医学会学術奨励賞受賞
平成20年 平成19年度 福島医学会賞受賞
平成20年 第38回日本腎臓病学会東部学術大会優秀演題賞受賞

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連絡先

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