- 苅谷 慶喜
- 福島県立医科大学 医学部生化学講座 学内講師
今回の受賞について
【日本結合組織学会 】
日本結合組織学会は、結合組織及びその関連分野に興味をもつ者、この領域の研究に従事する者をもって組織し、研究の進歩発展を図るとともに広く研究者間の交流を深めることを目的に、1969年、設立された学会です。
【 日本結合組織学会大高賞 】
当該学会では、毎年、結合組織研究及び学会の発展に寄与された個人または団体に対し、「日本結合組織学会大高賞」「日本結合組織学会学術賞」「日本結合組織学会功労賞」「日本結合組織学会優秀演題賞」の4賞を授与しています。
「日本結合組織学会大高賞」は「本学会の創設者で、初代会長として長年本学会の発展に寄与された大高裕一先生の栄誉をたたえて設けられたもの」で、次の方を対象としています。
1.本会会員のうち結合組織研究の進歩に寄与する顕著な研究を発表し、なお将来の発展を期待しうるものに授与する。ただし、研究業績はその主要な部分が、国内で行われたものに限る。
2.受賞者は年度翌年の3月31日時点において満45歳未満のものとする。
平成23年度は受賞者として、本学の医学部生化学講座 学内講師 苅谷慶喜氏が選ばれました。学会会期中の6月11日授賞式が執り行われ、そこで表彰されました。受賞した苅谷氏は来年度受賞講演を行うことになっています。
概要
苅谷氏は細胞外マトリックス等について長年研究を続けています。最近の論文では、皮膚の基底膜に着目し、皮膚の接着構造や創傷治癒において、ラミニン332(細胞外マトリックス)及び細胞側受容体であるインテグリンが重要な役割を果たしており、細胞の糖鎖を介した細胞外マトリックスと受容体からなる複合体形成の重要性を示しました。ガレクチン3というタンパク質と糖鎖は強く結合しますが、特定の糖鎖はガレクチン3との結合を弱め、複合体形成を抑制し、細胞運動促進シグナルの低下を引き起こすと考えています。ラミニン332の機能のメカニズムを解明することはES細胞や幹細胞の培養法の確立にとって重要であり、実際の医療などに応用されることが期待されます。
多くの論文を発表しており、結合組織研究の分野においての功績(座長もされました)が評価されました。
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