このたび,福島県立医科大学附属病院の呼吸器内科において,肺がんの早期診断・早期治療を可能にするため,上記の検査・診断システムを開発しました.
肺がんは,診断・治療がむずかしく,日本のがんによる死因の第一位になっています.最近はCT検査が普及していますが,3cm以下の肺病変を正確に質的に診断することは困難でした.このシステムは,このような小型病変を現時点で気管支鏡を用いて世界最高の精度で正確に診断するもので,当院が北海道大学第一内科,岐阜県立総合医療センター呼吸器科,大原綜合病院放射線科,オリンパスメディカルシステムズ社と共同開発したものです.
このシステムのしくみは,CT検査の情報から仮想気管支像を再構築して病変までのルートを作成し,気管支鏡検査時にナビゲーションシステムを使ってリアルタイムにカメラを進め,病変に到達し検体を採取して診断をするものです.ナビゲーション時に気管支鏡の視野と仮想気管支鏡の画像の方向(前後と回転軸)をリアルタイムに同調させることができるのが,このシステムの優れた点です.
このたび,この技術を評価した当院の論文が国際医学雑誌「Lung Cancer(肺癌)」2007年9月号に掲載され,有用性が世界的に認められました.
当院では今後このシステムを利用してますます早期の肺癌診断を目指してゆきます.
福島県立医科大学附属病院
呼吸器内科 部長 棟方 充
講師 石田 卓
助手 立原素子
● 記者発表
1.日 時 平成19年9月28日(金) 午後4時
2.発表場所 福島県立医科大学 第2カンファランス室
3.発表者 福島県立医科大学呼吸器内科 部長 棟方充 講師 石田卓 助手 立原素子
● お問い合わせ先
呼吸器内科のホームページはこちらですhttp://www.fmu.ac.jp/home/pulmo/index.html