模擬患者(SP)参加型授業の紹介

保健科学部がスタートして2年半が経ちました。令和3年4月に入学した1期生が3年生になり、理学療法学科では、9月からいよいよ県内各地の病院での臨床実習が始まります。臨床実習は、理学療法士が働く現場で直接学び、患者さんとのコミュニケーション能力を磨くことのできる貴重な機会です。しかし、医療という現場で、これまで出会ったことのない、幅広い年代の医療スタッフや患者さんと接するため、大きな緊張感の中での実習となります。

本学科では、臨床実習に備えて、学内で学んだ知識や技術の復習とともに、コミュニケーション能力を高めることを目的に、模擬患者参加型授業を実施しています。模擬患者(SP)とは、演習や技能試験等で患者役を演じる、訓練を受けた健康人のことです。保健科学部では、SPを一般市民から募集して養成しており、現在、約50名の方が参加されています。

このSPさん達にご協力いただき、3年生の5月の授業で医療面接の演習を行いました。そして、7月には、客観的臨床能力試験(OSCE)を実施しました。OSCEとは、臨床実習前や後に、面接を始めバイタルチェックや種々の検査、治療等をSPさんに対して行い、その技術やコミュニケーション能力を評価するものです。

SPさんのリアリティーの高い演技の下、学生たちは、臨床場面に近い緊張感の中で、演習や実技試験を受けることができました。そして、SPさんや教員からフィードバックを受けることで、自らの課題を認識し、実習に向けて新たな準備に取り掛かることができたのではないかと思います。

OSCE終了後のアンケートでは、「本当の患者さんみたいだった」、「普段できているはずのことができなかった」、「緊張感の中で試験を受けることができ、よい経験になった」「これからの勉強の仕方や患者さんへの対応で必要なことを学ぶことができた」などの感想が得られました。

学内での学びを円滑に臨床につなげていくために、今後も、模擬患者参加型授業を発展させていきたいと考えます。そして、学生が臨床実習を無事に乗りきり、大きく成長してくれることを祈っています。

模擬患者参加型授業で医療面接の演習を行う学生たちの様子。

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