卒業研究と椅子
- 講師
- 川又 寛徳
- かわまた ひろのり
- 作業リテラシー、人間作業モデル、地域リハビリテーション、ヘルスプロモーション、介護予防
現在、作業療法学科の3年生はそれぞれ研究室に配属され、卒業研究に取り組んでいます。この記事を書く前に、2人の学生を指導していたところですが、指導後、ふと自分が大学生の頃を思い出しました。
20年以上前のことになりますが、私は大学生の頃、動作解析装置を使用して、座る姿勢と作業効率に関する研究に取り組んでいました。研究計画書の作成から動作解析装置の操作方法、解析方法まで、指導教員や先輩から指導を受け、同級生に被験者になってもらいデータを集め、夜遅くまで実習準備室の隅にある解析用PCの前で独り奮闘した日々を思い出します。
研究そのものだけでなく、それに伴うさまざまな活動も、貴重な経験となりました。例えば、指導教員が発表する学術集会に同行し、会場近くの居酒屋で指導教員の仲間の研究者から話を聞く機会や、椅子について学ぶために人間工学の領域で有名な某大学の研究室を訪問した経験などが挙げられます。その某大学の研究室を訪問した際、大学院生たちが座っていた椅子がとても洗練されたものに見え、大学生には手が届かない代物でしたので、就職したら貯金して買うぞと決意し、卒業研究に励みました。卒業から数年かかりましたが、大枚をはたいて購入したのが写真の椅子です。
現在私は、卒業研究とは全く関係がない領域の研究をしていますが、この椅子は、大学生時代、卒業研究に一生懸命取り組んだ思い出とともに、私の大事な宝物です。
