脱灰
- 講師
- 高橋 一人
- たかはし かずと
- 病態検査学、解剖学、水圏生命科学
病理検査では様々な部位の標本を作りますが、時として骨のような固い組織を取り扱うことがあります。そういった固い組織は、カルシウム成分を除去し、柔らかくしてから標本を作る必要があります。
そのカルシウムを取り除く処理のことを「脱灰(だっかい)」と呼びます。
先日、組織の脱灰法について調べものをしていたら、「Erosive Effect of Acidic Beverages and Dietary Preservatives on Extracted Human Teeth—An In Vitro Analysis」というタイトルの論文が目に留まりました。その論文には酸性飲料が歯を「脱灰」すると書いてあり、特にコーラやレモンジュースはその作用が強いことが示されていました。私は子供の頃からコーラが大好きで、長年愛飲しています。まさか自分の好きな飲み物が、「脱灰」という言葉を通じて病理検査と結ばれるとは・・。
なんとも複雑な心境になりました。