視点を変えることで見えてくる気付き

昨年、健康診断でピロリ菌に感染していることが分かり、除菌治療を受けました。ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍や胃がんのリスク要因として知られ、積極的なピロリ除菌は胃がん予防に重要な役割を果たすことが分かっています。

このピロリ菌、今から40年ほど前にオーストラリアのウォーレンとマーシャルという医師が発見し、のちに2人は胃炎や胃潰瘍における役割を解明したとしてノーベル賞を受賞しています。実はウォーレンらの報告よりも前に、複数の研究者が胃の中の細菌に気付いていました。しかし、当時は強い酸性の胃の中で生きられる細菌はいないという考えが主流だったため、その意義を深く追求するには至らなかったようです。このように同じものを見ていたにも関わらず、捉え方によって得られる結果が変わってしまうことがあります。本学に入学する学生の皆さんには、物事を1つの視点ではなく、先入観のない多角的な視点で考える力をつけてほしいと思っています。

(写真:顕微鏡を使った実習を行う検鏡室)

顕微鏡が整然と並ぶ検鏡室の内部、医療実習のための設備が整っています。

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