卒業研究が始まります
- 教授
- 北爪 しのぶ
- きたづめ しのぶ
- 病態生化学、認知症生化学、癌生物学、糖鎖生物学、細胞生物学、バイオマーカー探索
本学保健科学部も開学してから3年が過ぎ、いよいよ一期生が最高学年になりました。
今まで講義や実習を規定通りにこなしてきた学生ですが、4年生になると大分スケジュールが変わってきます。臨床検査学科では、4月初めにスタートした病院実習が終わる7月中旬から興味をもった研究室に配属され、半年間ほど卒業研究に取り組むことになります。
私達の研究室ではアルツハイマー病で鍵となるアミロイドβ前駆体タンパク質やアポリポタンパク質E、原発性脳腫瘍であるグリオーマの増殖をコントロールする糖タンパク質に着目し、治療薬や診断薬開発を目指した基礎研究をおこなっています。学生はこれに関する内容の中から、1人1テーマをモットーに実験に取り組むことになります。3年生になるまで行ってきた実習は班ごとに複数メンバーで取り組み、担当教員が実験条件を最適化し、なるべく失敗しないようなプロトコールにしていますので、得られる結果は想定内です。
卒業研究は教員も、そして世界中の誰も正解を知らない中で実験をすることになります。最初は失敗の連続かもしれません。学生達は、春休みに2週間ほどプレ卒業実験に取り組み楽しそうに実験していましたが、たくさん失敗もしていました。そして、たとえ実験自体がうまく行えたとしても、想定していた結果が出るか否かは別問題なのです。生命現象は人類の叡智を超えた規則の上に成り立っていると感じます。
私は学生に実験に失敗しても、思うような結果が出なくてもめげないでください、と言い続けています。そんな失敗を繰り返した中で取り組んだ実験がたまたま?うまくいって、思いもかけないような結果を目にしたとき、それが例え小さな結果だったとしても、研究ってめちゃくちゃ面白い!!と思ってもらえたらとても嬉しいです。