
- 胡口 智之 (こぐち・ともゆき)
- 医学部 泌尿器科学講座 博士研究員
- 研究グループ
- 胡口智之1,2)、小名木彰史2)、丹治亮2)、滝浪瑠璃子2)、松岡香菜子2)、星誠二2)、秦淳也2)、
佐藤雄一2)、赤井畑秀則1)、片岡政雄2)、小川総一郎2)、羽賀宣博2)、石橋啓2)、谷川千津3)、
松田浩一4)、鈴木堅太郎5)、山田源5)、水野健太郎6)、林祐太郎6)、小島祥敬2)
1)一般財団法人竹田健康財団 竹田綜合病院泌尿器科
2)福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座
3)東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター シークエンス技術開発分野
4)東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻クリニカルシークエンス分野
5)和歌山県立医科大学遺伝子制御学研究部
6)名古屋市立大学大学院医学研究科 小児泌尿器科学分野
今回の受賞について
日本アンドロロジー学会第37回学術大会
日本アンドロロジー学会は、アンドロロジー(男性学、雄性学)に関する研究者交流の目的のために昭和49年にアンドロロジー研究会として設立され、その後毎年学術大会が開催されています。男性学・雄性学に関係する基礎分野(生物学、生化学、獣医学、薬学など)から臨床分野(泌尿器科、産婦人科、内科など)まで幅広い領域についての学術活動が行われており、昭和57年に日本アンドロロジー学会と名称を変更してからは、今年6月で第37回目の学術大会開催となっています。
賞について
日本アンドロロジー学会では、第20回学術総会より優秀な発表を対象とする 「学会賞」を創設し、表彰を始めました。
概要
尿道下裂は代表的な先天性泌尿器科疾患の一つであり、これまで乳幼児期に手術療法を行い、患児の排尿状態の改善が図られてきました。最近では、治療された患児が性成熟期を迎えるようになり、造精機能障害や射精障害などの性機能と尿道下裂との関連が成人期においても注目されてきています。
これまで尿道下裂の発症には、内分泌攪乱物質の暴露といった環境要因のほか、人種差などの遺伝的要因も影響していることが報告されています。また、近年ゲノムDNA上の一塩基の差異(一塩基遺伝子多型:SNP)が、様々な疾患の発症と関連することが明らかとなり、我々は尿道下裂発症にSNPが影響する可能性を考え本研究を実施しました。日本人尿道下裂症例のSNP頻度を解析した結果、疾患発症と関連するSNPを特定し、尿道下裂の発症リスク関連遺伝子を同定したほか、疾患の重症度と関連する可能性を見出しました。
今回同定した発症リスク関連遺伝子は、雄マウス胎仔の外性器において特徴的は発現パターンを示しており、尿道形成において重要な機能を持つことが推察されました。
(胡口 智之)
関連サイト
- 日本アンドロロジー学会第37回学術大会
http://andrology.wordmiki.com/index.html
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 泌尿器科学講座
電話:024-547-1316/FAX:024-548-3393
講座ホームページ:http://www.urology.fmu.ac.jp/
メールアドレス:gucchii@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため、一部全角表記しています)