- 赤間 浄 (あかま・じょう)
- 循環器内科学講座 博士研究員
- 研究グループ
- 赤間浄1、清水竹史1、安藤卓也1、安齋文弥1、武藤雄紀1、君島勇輔1、喜古崇豊1、義久精臣1, 2、八巻尚洋1、國井浩行1、中里和彦1、石田隆史1、竹石恭知1
1. 医学部循環器内科学講座
2. 保健科学部臨床検査学科
概要
論文掲載雑誌:「PLoS One」(令和4年8月24日)
経皮的冠動脈形成術は冠動脈疾患に対する標準的な治療法の1つである。しかし、経皮的冠動脈形成術を施行された患者の長期予後を予測するための簡便なスコアリングツールは開発されていない。Anti-platelet regimen in stented patients (PARIS) thrombotic risk scoreは経皮的冠動脈形成術後の血栓症の発症を予測するための簡便なスコアリングツールとして開発された。本研究では、経皮的冠動脈形成術後の冠動脈疾患患者において、PARIS thrombotic risk scoreが長期予後を予測し得るか検討した。
経皮的冠動脈形成術を施行された冠動脈疾患患者、連続1061名を対象とし、全死亡、心臓死、心不全入院のイベント発生を追跡した。平均追跡期間は1809日であった。1061名をPARIS thrombotic risk scoreにより3群(低リスク群:320名、中リスク群:469名、高リスク群:272名)に分類し、累積イベント発生率を比較した。カプランマイヤー解析ではPARIS thrombotic risk scoreの高リスク群は全死亡(P < 0.001)、心臓死(P = 0.022)、心不全入院(P < 0.001)の発生率が高値であった。多変量コックス比例バザード解析ではPARIS thrombotic risk scoreの高リスク群に属することは低リスク群に属することに対して、全死亡(ハザード比 1.76、95%信頼区間1.18-2.61、P = 0.005)および心不全入院(ハザード比 2.14、95%信頼区間 1.14-4.00、P = 0.017)に関する独立した予後予測因子であった。
以上より、経皮的冠動脈形成術後の冠動脈疾患患者においてPARIS thrombotic risk scoreは長期的な全死亡および心不全入院のイベント予測に有用であることが示唆された。
関連サイト
- 論文
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0274287
連絡先
循環器内科学講座
職・氏名: 助教 清水 竹史
電話:024-547-1190
FAX:024-548-1821
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