
- 菅原 由紀子 (すがわら・ゆきこ)
- 医学部 循環器内科学講座 大学院生
- 研究グループ
- 菅原 由紀子、義久 精臣、竹石 遼平、大原 妃美佳、安齋 文弥、寶槻 優、渡邊 孝一郎、佐藤 悠、阿部 諭史、三阪 智史、佐藤 崇匡、及川 雅啓、小林 淳、中里 和彦、竹石 恭知
概要
論文掲載雑誌:「Circulation Journal」(令和4年7月1日オンライン)
心不全患者にて左室駆出率低下は死亡率上昇と関連することが報告されている。本研究では心不全患者における右室面積変化率(RVFAC)の変化と予後との関係について検討した。
心不全入院患者480名にて退院時(1回目)および退院半年後の外来(2回目)で心エコーを用いてRVFACを測定した。RVFACはそれぞれ35%以上、25〜35%、25%未満の3つのカテゴリーに分類した。さらに、1回目から2回目までのRVFACの変化に基づいて、RVFACが1)35%以上で維持した群、2)少なくとも1カテゴリー以上改善した群、3)低値のまま変化のない群、4)少なくとも1カテゴリー以上増悪した群 の4群に分類した。カプランマイヤー解析ではRVFACの変化は心イベント発生率(心不全入院または心臓死; log-rank P < 0.001)および総死亡率(log-rank P = 0.010)と関連していた。多変量コックス比例ハザード解析ではRVFACの増悪は心イベント発生および全死亡に関して左室駆出率と独立した予後予測因子であった。(心イベント; vs. 35%以上で維持した群、ハザード比2.326、95%信頼区間1.577–3.425、P<0.001、vs. 1カテゴリー以上改善した群、ハザード比3.300、95%信頼区間1.946–5.587、P<0.001: 総死亡; vs. 1カテゴリー以上改善した群、ハザード比2.193、95%信頼区間1.280–3.759、P=0.004)。
以上から心不全入院患者においてRVFACの変化は退院後の予後と関連していることが明らかとなった。
連絡先
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