福島県立医科大学 研究成果情報

米国科学誌「World Journal of Gastroenterology」(2021年7月号に掲載)(2021-08-12)

Recent trends in the prevalence and distribution of colonic diverticula in Japan evaluated using computed tomography colonography

大腸CTを用いた近年の日本における大腸憩室の頻度、分布に関する研究

五十畑 則之(いそはた・のりゆき)
福島県立医科大学 会津医療センター 小腸・大腸・肛門科学講座 准教授

遠藤 俊吾(えんどう・しゅんご)
福島県立医科大学 会津医療センター 小腸・大腸・肛門科学講座 教授

        
研究グループ
福島県立医科大学会津医療センター 小腸・大腸・肛門科学講座 五十畑則之、遠藤俊吾、歌野健一
福島県立医科大学 消化器内科学講座 永田浩一

概要

論文掲載雑誌「World Journal of Gastroenterology」(2021年7月号に掲載)


この論文では日本人の大腸憩室の分布、頻度を、大腸CT(CTコロノグラフィー)を使用して検討しました。対象は大腸CTによる大腸腫瘍の精度検証の研究に登録された1181名で、CTデータを再読影しました。その結果、568名(48.1%)が1個以上の大腸憩室を有していました。大腸憩室は食生活の欧米化や人口の高齢化により近年増加傾向にあると言われていましたが、これまでの報告よりも多い結果でした。また大腸憩室の保有率は高齢者の方が高く、分布に関しては若年者では右側の大腸が多いのですが、高齢になるに従い、右側と左側大腸に憩室を保有していました。また、S状結腸に6個以上の憩室を有する人の大腸の長さは、大腸憩室のない人よりも短い結果でした。

大腸CTを使用して、大腸憩室を評価した大規模な研究は本邦初、世界では2番目です。肛門から二酸化炭素を注入して大腸を膨らませて撮影する大腸CTは、大腸内視鏡よりも大腸憩室を正確に診断できると考え、この研究を行いました。当院では大腸CTを大腸腫瘍の診断においても積極的に使用しています。

 


連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 会津医療センター 小腸・大腸・肛門科学講座
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