
- 岡野 舞子 (おかの・まいこ)
- 医学部 乳腺外科学講座 博士研究員
- 研究グループ
- 岡野舞子1,2、押正徳1、Ali Linsk Butash1、勝田絵里子1、立花和之進2、齋藤勝治3、
岡山洋和3、Xuan Peng4、Li Yan4、河野浩二3 、大竹徹2、高部和明1,2
1 ロズウェルパーク癌研究所 乳腺外科
2 福島県立医科大学 乳腺外科学講座
3 福島県立医科大学 消化管外科学講座
4 ロズウェルパーク癌研究所 バイオインフォマティックス分野
今回の受賞について
International Journal of Molecular Sciences
IJMSは、生化学、分子および細胞生物学、分子生物物理学、分子医学、および化学における分子研究のすべてに関する高度な議論を提供する、国際的な査読付きのオープンアクセスジャーナルです。
賞について
2019年にIJMSに発表されたすべての論文の中で、編集委員で構成された委員会が以下を考慮し、3件のレビューと3件の原著論文を選出したうちの1件。
(1)科学的メリットと幅広い影響。
(2)ジャーナルの分野との関連性。
(3)研究目的および/または提示されたアイデアの独創性。
(4)研究計画の創造性またはアプローチの独自性およびコンセプト
(5)プレゼンテーションの明確さ。
(6)2020年の引用率とダウンロード率。
概要
アネキシンA1(ANXA1)は、炎症、免疫応答、肥満細胞の反応性に関与するリン脂質結合タンパク質である。我々は以前、ANXA1がトリプルネガティブ乳癌(TNBC)の予後不良因子に関連していることを報告した。ただし、その臨床的関連性については議論の余地がある。今回の研究では、ANXA1が高発現しているTNBCは、肥満細胞を含む前癌性免疫細胞浸潤と、予後不良とされる表現型に関連していると仮定した。公的に使用可能な大規模コホートのRNA-seqデータを用いて検討した結果、他のサブタイプと比較して、TNBCでは有意に高いレベルのANXA1発現を示した。福島医大の臨床検体を用いてANXA1のタンパク発現を評価したところ、ANXA1染色が陽性の症例は、陰性症例と比較して生存率が有意に短かった。CIBERSORTアルゴリズムを使用して、免疫細胞の浸潤を評価すると、ANXA1高発現の腫瘍は、活性化された肥満細胞およびM2マクロファージと関連していた。ANXA1の高発現は、GSEAで分析すると、炎症、上皮間葉転換(EMT)、および血管新生関連遺伝子と関連していることが分かった。
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 乳腺外科学講座
電話:024-547-1257
FAX:024-547-1983
講座ホームページ:https://www.fmu-breastsurg.com/
メールアドレス:breast@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため、一部全角表記しています)