
- 金城 貴士 (かねしろ・たかし)
- 循環器内科学講座 講師
- 研究グループ
- 金城 貴士、室田 定洋、野寺 穣、山田 慎哉、及川 雅啓、竹石 恭知
概要
論文掲載雑誌:「EP Europace」(2025年3月18日)
近年、心房細動に対するカテーテルアブレーションにおいて、超高出力・短時間通電法(very high-power short-duration: vHPSD法)が導入されている。vHPSD法は、これまでの高出力・短時間通電法(high-power short-duration: HPSD法)に比し浅く・広い焼灼巣を形成するため、周辺臓器傷害のリスクを減少させうることが示されている。心房細動アブレーション時に施行される上大静脈隔離術(superior vena cava isolation:SVCI)では、隣接する横隔神経傷害(phrenic nerve injury: PNI)の合併が懸念される。SVCは壁厚が薄く浅い焼灼巣で十分なため、PNI予防の観点からもvHPSD法が理論上好適であるが、その有用性・安全性は示されていない。
SVCIを施行した連続51例(HPSD群:25例、vHPSD群:26例)において、PNIの頻度と各焼灼パラメータを比較した。全例でSVCIを完遂した。全焼灼巣(817箇所)の比較において、vHPSD群では総通電時間(47.8 ± 10.9 vs. 103.0 ± 28.3 秒, P < 0.001)および総通電エネルギー(3762 ± 837 vs. 5363 ± 1512 J, P < 0.001)が有意に低値であった。HPSD群で軽度のPNIを3例(6%)に認めたが、vHPSDでは認めなかった。
SVCIにおける、vHPSD法の有用性・安全性が示された。(金城貴士)
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 循環器内科学講座
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