
- 佐藤 悠 (さとう・ゆう)
- 循環器内科学講座 助教
- 研究グループ
- 佐藤悠、義久精臣、大橋尚人、竹石遼平、関根虎之介、西浦司人、小河原崚、市村祥平、君島勇輔、横川哲朗、三浦俊輔、三阪智史、佐藤崇匡、及川雅啓、小林淳、八巻尚洋、中里和彦、竹石恭知
概要
論文掲載雑誌:「Hypertension Research」(2025年1月20日)
心不全患者において受診ごとに測定される血圧の変動は予後と関連していることが報告されていました。しかし一心拍ごとの超短期的血圧変動の臨床的意義は不明でした。
本研究では心不全患者366名(年齢中央値72.0歳、男性53.3%)において睡眠ポリグラフ検査を用いて測定した脈波伝播時間にもとづいて夜間の超短期的血圧変動を評価しました。
一心拍ごとの血圧のcoefficient of variationを超短期的血圧変動と定義しました。主要評価項目は心不全入院または心臓死の複合エンドポイントとしました。
収縮期血圧と拡張期血圧のcoefficient of variationの中央値はそれぞれ3.6%と5.1%でした。超短期的血圧変動測定後の中央値1,084日の観察期間中、71の主要評価項目が記録されました。患者を収縮期と拡張期の超短期的血圧変動の3分位に基づいて分類すると、主要評価項目の発生は超短期的血圧変動の高い群にて最も高率でした。多変量コックス比例ハザード解析では、連続変数としての収縮期および拡張期血圧の超短期的血圧変動は主要評価項目と有意に関連していました(それぞれ調整ハザード比1.199と1.101)。
以上から心不全患者において夜間の高い超短期的血圧変動が不良な予後と関連していることが示唆されました。
(佐藤 悠)
連絡先
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