
- 西浦 司人 (にしうら・かずと)
- 循環器内科学講座 助手
- 研究グループ
- 西浦司人、横川哲朗、三浦俊輔、佐藤彰彦、清水竹史、 三阪智史、及川雅啓、義久精臣、杉本浩一、中里和彦
石田隆史、竹石恭知
今回の受賞について
第8回日本循環器学会基礎研究フォーラム(BCVR)
循環器学に関する学理及びその応用の研究についての発表及び連絡、並びに知識の交換、情報の提供等を行うことにより,循環器学に関する研究の進歩向上に関する事業を行い、学術の発展及び社会に寄与することを目的にした学会であり、特に心血管領域の基礎研究に挑戦し、この領域がさらに発展し続けることを目的にしたのが日本循環器学会基礎研究フォーラム(BCVR)である。
賞について
第8回BCVRでのポスター発表を行う演題の中から、当日審査を行いPoster Awardとして選出される。
概要
肺高血圧症の病態には、肺動脈平滑筋細胞の異常増殖や肺動脈周囲マクロファージが重要な役割を演じている。本研究では、マクロファージの分化・増殖を制御するColony stimulating factor 1 receptor(CSR1R)の肺高血圧症での意義を検討した。
肺高血圧症患者の肺組織では、健常肺に比し、CSF1R陽性細胞が有意に多く浸潤していた。SU5416/低酸素による肺高血圧症モデルマウスの肺組織でもCSF1Rのリン酸化が生じていた。CSF1R阻害薬を肺高血圧症モデル動物に投与すると、肺高血圧が改善し、肺動脈周囲CD68陽性マクロファージ、Arg1陽性M2マクロファージの数が減少した。また、肺高血圧症モデルマウスにおいてCsf1rをノックダウンすると肺高血圧が改善した。さらに、肺由来M2マクロファージの培養上清で、肺動脈平滑筋細胞を培養すると増殖能が亢進し、CCL2中和抗体を加えた培養では増殖能が抑制された。
CSF1Rが肺動脈周囲マクロファージの増殖また肺高血圧症の病態を進行させていることが示唆された。(西浦 司人)
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 循環器内科学講座
電話:024-547-1190
FAX:024-548-1821
講座ホームページ:https://www.fmu.ac.jp/home/int-med1/intmed1main.htm