福島県立医科大学 研究成果情報

米国雑誌「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」掲載(令和6年3月13日オンライン)(2024-05-23)

Effects of Overweight on Risk of Thyroid Nodules in Children and Adolescents: The Fukushima Health Management Survey

小児および思春期における甲状腺結節に及ぼす過体重の影響:福島県「県民健康調査」

 

大平 哲也(おおひら・てつや)
放射線医学県民健康管理センター疫学室 室長

長尾 匡則(ながお・まさのり)
放射線医学県民健康管理センター疫学室 講師
        
研究グループ
Tetsuya Ohira, Masanori Nagao, Fumikazu Hayashi, Hiroki Shimura, Satoru Suzuki, Seiji Yasumura, Hideto Takahashi, Satoshi Suzuki, Manabu Iwadate, Mitsuaki Hosoya, Akira Sakai, Tetsuo Ishikawa, Fumihiko Furuya, Shinichi Suzuki, Susumu Yokoya, Hitoshi Ohto, and Kenji Kamiya

概要

論文掲載雑誌:Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(March 13, 2024)


     過体重や肥満が成人において甲状腺結節の出現率を上昇させることが知られていますが、小児および思春期の甲状腺結節にどのような影響を及ぼすかは明らかではありません。本研究では、小児および思春期における過体重や肥満が約4年後の甲状腺結節と関連するかどうかを追跡調査によって性・年齢別に検討することを目的としました。福島第一原子力発電所事故後に開始された福島県「県民健康調査」において甲状腺超音波検査を受けた約300,000人を対象としました。最初の2回の検査(事故後1-3年および4-5年)で結節がみられなかった人(超音波検査において甲状腺結節がみられない、もしくは5.1mm未満の人)を対象に、3回目の検査(事故後6-7年)におけるベースラインの過体重結節との関連を平均4.2年間の追跡調査によって評価しました。3回の検査を全て受けた184,519人が最終的に解析対象となりました。追跡期間中に660人の参加者に新たな甲状腺結節(超音波検査において5.1mm以上の結節)が確認されました。過体重は約4年後の甲状腺結節と正の相関があり、過体重がない人と比べた過体重がある人の甲状腺結節の多変量調整(性、年齢、海藻および魚介類の摂取、住居地域を調整)オッズ比(95%信頼区間)は1.27(1.04-1.57)でした。また、男性と女性における過体重の多変量調整オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ1.21 (0.87-1.67)および1.32 (1.01-1.73)であり、年齢群別(0~9歳、10~14歳、15~19歳)の多変量調整オッズ比はそれぞれ1.17 (0.79-1.74)、1.19(0.91-1.56)、および1.75 (1.00-3.06)でした。以上より過体重であることは、住居が福島第一原子力発電所に近接しているかどうかにかかわらず、特に女性および思春期において約4年後の甲状腺結節と関連することが明らかになりました。(大平哲也)


連絡先

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