福島県立医科大学 研究成果情報

第42回日本社会精神医学会 優秀発表賞(令和6年3月受賞)(2024-05-10)

福島原発事故被災地住民の放射線リスク認知とウクライナ国内原子力発電所への軍事攻撃の報道によるストレス症状との関連

本間(照井) 稔宏 (ほんま(てるい)・としひろ)
医学部神経精神医学講座 併任助教
        
研究グループ
〈社会精神保健チーム(Social Psychiatry and Mental Health: SPMH Lab.)〉
本間(照井)稔宏1, 國井泰人1, 2, 川崎由希子1, 上田由桂1, 3, 佐倉(鈴木)祐子1 ,4, 各務竹康5, 日髙友郎5, 矢部博興6, 三浦至1
1. 福島県立医科大学医学部神経精神医学講座
2. 東北大学災害科学国際研究所・災害精神医学分野
3. 福島県立医科大学医学部疫学講座
4. 東京医療学院大学保健医療学部看護学科
5. 福島県立医科大学医学部衛生学・予防医学講座
6. 福島県立医科大学こころと脳の医学講座

今回の受賞について

第42回日本社会精神医学会


本学会は、精神障害の心理社会的・疫学的研究と精神科医療の実践に基づいた調査研究を推進し、その進歩・発展・普及に貢献することを目的として、1981年4月に設立されました。年1回の研究発表会の他、会誌「日本社会精神医学会雑誌」の発行、社会精神医学に関する情報の提供等の事業を行っています。

賞について


一般演題を対象にして優秀発表賞が選考されました。プログラム委員による抄録の検討、担当セッションの座長の評価を総合した結果、3つの発表に本賞が授与されました。

概要

2022年2月より始まったロシアによるウクライナ侵攻、特に翌月に報道されたウクライナ国内の原子力発電所への軍事攻撃は、世界を震撼させました。本学会では、同じく原子力危機である福島原発事故の被災地住民の放射線に関するリスク認知と、原発への軍事攻撃の報道による心理的ストレスとの関連を検討した横断研究の結果を報告しました。

分析の結果、ストレス症状と放射線リスク認知とに関連がみられ、さらにその関連を放射線不安が媒介することが示唆されました。特殊災害が稀ではない今日において、高いリスク認知を持つ被災地住民における望まないストレスの遷延が生ずることが懸念されました。さらに、未だ高い放射線リスク認知を持つ国民において、後年に生ずる特殊災害からの影響を見据えた支援策の必要性が示唆されました。(本間(照井) 稔宏)


連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部神経精神医学講座
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FAX:024-548-6735

メールアドレス:terui-t@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています。 )