- 木村 浩 (きむら・ひろし)
- 医学部 腎臓高血圧内科学講座 助教
- 研究グループ
- 木村浩1、田中健一1,2、斎藤浩孝1、岩崎剛史1、小田朗1、渡辺秀平1、菅野真理1、島袋充生2,3、旭浩一2、渡辺毅2、
風間順一郎1,2
1:福島県立医科大学医学部腎臓高血圧内科学講座、2:同先端地域生活習慣病治療学講座、3:同糖尿病内分泌代謝内科学講座
概要
論文掲載雑誌「Clinical Journal of the American Society of Nephrology」(2021年12月号)
ふくしまCKDコホートに登録された2,724名のうち、慢性腎臓病= CKD (eGFR <60m1/min/1. 73㎡ and/or 尿蛋白陽性≥1+ )と診断された1,117名を対象に服薬数5種類以上をPolypharmacy (PP) 、10種類以上をHyperpolypharmacy (HPP)と定義し、服薬数と腎死、心血管イベントおよび全死亡との関連につきCox回帰を用いて解析しました。平均観察期間は4.8年で120例が腎死、153例で心血管イベントを発生、109例が死亡しました。服薬数4種類以下と比較しHPP群では有意に腎死、心血管イベント、死亡のリスクが高くなっていました{腎死:調整ハザード比:2.83 (95%CI 1.21-6.66) 、心血管イベント:調整ハザード比:3.02 (95%CI 1.59-5.74)、全死亡:調整ハザード比:2.80 (95%CI 1.4-5.54) }。以上から、保存期CKD患者において服薬数が10種類以上となると腎死、心血管イベントおよび死亡のリスクが高くなることが示唆されました。日常診療において留意しなければならない新知見です。
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 腎臓高血圧内科学講座
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