福島県立医科大学 研究成果情報

第57回日本癌治療学会学術集会 最優秀演題賞(令和元年10月受賞)(2019-11-20)

ARID1A変異胃癌に対する標的治療法の探索と開発

齋藤 元伸 (さいとう・もとのぶ)
医学部 消化管外科学講座 講師
        
研究グループ
齋藤元伸、芦澤舞、山田玲央、遠藤英成、加瀬晃志、岡山洋和、遠藤久仁、藤田正太郎、坂本渉、佐瀬善一郎、門馬智之、三村耕作、大木進司、河野浩二

今回の受賞について

日本癌治療学会学術集会


 日本癌治療学会は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師など会員総数17,000人を超え、日本における癌の予防、診断および治療に関わる調査・研究などを行っている本邦最大の領域・職種横断的ながん関連団体です。第57回学術集会は「社会と医療のニーズに応える」というメインテーマのもと開催されました。

最優秀演題賞


 一般演題の中から厳正な審査の上で選定されます。昨年は発表された約1700演題のうち、59題が優秀演題に選出され、更に優秀演題の中から8題の最優秀演題が選出されました。

概要

 消化管外科学講座では治療効果が高く、かつ、有害事象が少ない特異的な標的治療法の開発を目指して研究に取り組んでいます。本課題の研究対象となったARID1A遺伝子は癌抑制遺伝子の1つであり、その失活型の変異が胃癌の約30%に認められます。そのためARID1A遺伝子変異は、従来型の治療法である直接の阻害剤を用いても治療効果は得られず、治療標的となりえませんでした。本研究ではARID1A変異胃癌における標的治療薬の探索を合成致死に基づいておこない、その特異的な阻害剤の治療効果の評価と治療効果が期待される患者の臨床病理学的因子の確認をおこないました。将来的には胃癌の個別化医療の1つとなることが期待されます。


関連サイト

連絡先

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 FAX:024-547-1980
 講座ホームページ: http://www.gi-t-surg.com/

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