福島県立医科大学 研究成果情報

第26回日本排尿機能学会 令和元年度河邉賞(令和元年9月受賞)(2019-10-23)

Benign prostatic enlargement affects vesical adaptation response to diuresis in men with overactive bladder

松岡 香菜子 (まつおか・かなこ)
医学部 泌尿器科学講座 助手
        
研究グループ
松岡香菜子、小名木彰史、丹治亮、本田瑠璃子、星誠二、秦淳也、佐藤雄一、赤井畑秀則、片岡政雄、小川総一郎、
羽賀宣博、小島祥敬

今回の受賞について

第26回日本排尿機能学会


日本排尿機能学会は昭和48年に神経因性膀胱研究会として発足して以来、下部尿路(膀胱および尿道)機能障害の問題に取り組んでいる学会です。平成30年12月末現在、会員数は 1,685名になり、泌尿器科だけでなく神経内科、産婦人科、リハビリ科、看護学科、生理学、薬理学、薬学などの各領域からエキスパートが参加している学際的な学術団体です。

令和元年に東京にて第26回日本排尿機能学会が開催されました。

賞について


「下部尿路機能に関する基礎・臨床研究分野における若手研究者が研究成果を海外へ発信することを支援すること」を目的として設立された賞です。

概要

今回私が受賞した研究内容は、当講座において研究が進められている利尿適応性に関するものです。利尿適応性とは、頻尿を回避するため、膀胱に急激に尿が流入した際に1回蓄尿量を増加させるという現象です。当講座では、下部尿路症状を有する患者は利尿適応性が障害される傾向にあることを報告していますが、その詳細な病態や意義はほとんど検討されておりませんでした。そこで、私達は男性下部尿路症状を有する患者の利尿適応性を調査し、利尿適応性障害に影響する因子の探索と、それがもたらす下部尿路症状の変化について検討しました。そして、利尿適応性障害は前立腺腫大や過活動膀胱を有する患者で多く存在していることを明らかにしました。このことから、利尿適応性障害に対するさらなる研究が、過活動膀胱を代表とする蓄尿障害の病態解明や新規治療の開発の一助となる可能性を見出しました。今回私は、この研究内容を令和元年9月にスウェーデンのヨーテボリで開催されたInternational Continence Society 2019で発表し、令和元年度河邉賞を受賞しました。

 


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