- 平井 裕之 (ひらい・ひろゆき)
- 医学部 糖尿病内分泌代謝内科学講座 病院助手、博士研究員
- 研究グループ
- 平井 裕之、旭 浩一、山口 怜、森 博隆、佐藤 博亮、井関 邦敏、守山 敏樹、山縣 邦弘、鶴屋 和彦、藤元 昭一、成田 一衛、今田 恒夫、近藤 正英、柴垣 有吾、笠原 正登、渡辺 毅、島袋 充生
概要
論文掲載雑誌:「Scientific Reports」2月号(2019.2.26)
冠動脈疾患予測モデルであるフラミンガムスコアおよび吹田スコアの妥当性を特定健診参加者において検討した。2008-2011年の35379名の参加者が解析対象となる。Baseline年齢, 62.1±7.5 歳,男性,14,072 名, 女性,21,307 名, 糖尿病罹患者2,926(8.3%)名であった。3年間で新規の冠動脈疾患発症は1234名であった。発症率は以下の通り。糖尿病男性 6.00 %, 非糖尿病男性 3.96 %, 糖尿病女性5.51%, 非糖尿病女性2.86%。
Receiver operating characteristic (ROC) curve のArea under the curve(AUC)ではフラミンガムスコアおよび吹田スコアいずれも同程度であった。Hosmer–Lemeshow goodness-of-fit test ではフラミンガムスコアおよび吹田スコアいずれも同程度であった。
吹田スコアに糖尿病男性において腹囲85cm以上加味するとAUC, 0.586 (95% CI, 0.523–0.650) → 0.629 (95% CI,0.571–0.687),P= 0.064, net reclassification improvement (NRI), 0.315 (95% CI, 0.1423–0.4876;P =0.00035) ,integrated discrimination improvement (IDI), 0.0057 (95% CI, 0.0023–0.0091; P =0.001)と改善した。
同様に糖尿病女性において吹田スコアに尿蛋白1+以上を加味するとAUC, 0.544 (95% CI, 0.475–0.613) → 0.597(95% CI, 0.526–0.668), P= 0.042,NRI, 0.2599(95% CI, 0.0767–0.4431; P=0.00542) ,IDI, 0.0121 (95% CI, 0.0033–0.0208; P=0.00695)と改善した。
まとめ:本研究で,糖尿病健診参加者において男性は腹囲を女性は尿蛋白を吹田スコアに加味することが有用であると考えられた。健診では費用が限られるため腹囲,尿蛋白測定は費用的にも合理的と考えた。
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