論文題名 | A unique N-glycan on human transferrin in CSF: a possible biomarker for iNPH |
ヒト脳脊髄液中のユニークな糖鎖を持つトランスフェリン:特発性正常圧水頭症のバイオマーカー | |
著 者 | 二川了次、奈良清光、宮嶋雅一、久野敦、伊藤浩美、梶裕之、城谷圭朗、本多たかし、遠山ゆり子、星京香、半沢雄助、北爪しのぶ、今牧理恵、古川勝敏、田﨑和洋、荒井啓行、湯浅龍彦、阿部正文、新井一、成松久、橋本康弘 |
雑誌名 | Neurobiology of Aging |
発行日 | 2012年8月 |
巻(号)、ページ | 33(8):1807-1815, 2012 |
要 旨 | |
高齢社会に伴い認知症患者が著しく増加している。とりわけ、アルツハイマー病は認知症の6割以上を占め、他の認知症疾患との鑑別が重要である。特発性正常圧水頭症(Idiopathic normal pressure hydrocephalus: iNPH)は認知症を示し、MRI等の画像では脳室拡大を示す。脳室拡大と認知症は、アルツハイマー病と共通した症状であり、両者の鑑別は容易ではない。一方、アルツハイマー病の根治療法は未開発であるのに対し、iNPHは小手術で完治することから、両者の鑑別診断法が求められていた。 我々は、髄液中に存在するユニークな糖鎖を持つトランスフェリンが両者の鑑別診断マーカーになることを見出した。これによって“治る”認知症であるiNPHの治療の加速が期待される。 |