努力と運と人生
- 教授
- 三輪 建太
- みわ けんた
- 核医学、放射線技術学
10年ほど前、AKB48などのプロデューサとして知られる秋元康さんがSNSを通じてAKB48の「非」選抜メンバーに送った言葉が印象的でした。要約すると、「長い間、芸能界でスターを間近に見てきて、スターとして成功するために何が必要かというと、…運である。では、努力しても無駄なのかというと、それは違う。努力は必要で、言い方を変えれば、努力は成功するための最低条件である。みんな、必死に努力して、じっとチャンスの順番を待つしかない。」そして、最後に「いつか、必ず、チャンスの順番が来ると信じなさい。今の自分にできることを考えなさい。」の言葉で締めくくられ、当時20代であった私の心にも突き刺さりました。また、私自身も「いつチャンスが巡ってくるかわからないが、その時に勝負できるスタートラインにいられるように、毎日努力して自分をみがきなさい。」と偶然にも恩師から同じような言葉をかけられ、目の前の臨床業務や研究活動に邁進して、何となく自分の未来に期待していました。結果的に、運に恵まれ、大学教員になり診療放射線技師を育てるという一つの夢を叶えることができました。これらの言葉は受験生、大学生、若手社会人などあらゆる人に当てはまる大切な考え方ではないでしょうか。10代、20代の頃はまわりの人と比較して、自分の境遇をネガティブに捉えがちです。自分の境遇の悪さだけを嘆いても何も始まりません。努力を続けていると、さまざまな出会いや運が重なり、想像もできないような未来が訪れることがよくあります。
大学時代に友人たちとニューヨークを旅行し、マンハッタンにあるエンパイヤステートビルから眺めた夜景に感動しました。そして数年前に学会の合間に時間を見つけて、友人や大学の教え子たちと一緒に15年ぶりに同じ夜景を見に行きました(写真)。当時とは全く違った景色に見えました。その夜景を見ながら、15年の間に少しずつ積み上げてきたものを実感し、運に恵まれ、当時は想像もしなかった楽しい人生を送れていることに感謝しました。
皆さんのいまの頑張りが何かしらの形で報われるときが必ず訪れます。頑張ってください!
