核医学とは

私は放射線医学のなかでも“核医学”という分野を専門としています。核医学とは、放射線を発生する薬(放射性同位元素)を体内に投与することにより、PET装置やSPECT装置などの医療機器を用いて“生きたまま”生体内の機能や病態を可視化することができます。最近では高エネルギーを有するα線やβ線を発生する放射性同位元素を用いて“がん治療”を行えるようになってきました。実は私は、学生時代、核医学に興味が持てず、苦手な科目の一つでした。臨床業務で本気で取り組んだのがきっかけで、核医学の魅力に取り憑かれました。核医学には物理学、工学、薬学、および医学の広分野にわたる深い知識が求められ、それらの各分野の研究成果の複合的な積み重ねにより学問として進化しています。10年前には全く想像できなかった技術革新、ひいては臨床応用へとつながっています。核医学を通じて常に学び続けることの楽しさや喜びを味わうことができました。さらに国内外に多くの核医学の仲間ができ、結果的に人生が豊かになりました。今、自分が好きなことを次代を担う学生に教授しながら、一緒に勉強・研究できることが幸せです。福島県立医科大学では臨床・研究・教育すべてにおいて核医学を学ぶ素晴らしい環境が整っています。一緒に核医学を学び楽しみましょう!!

写真:PET/CT装置開発のパイオニアであり、尊敬する友人でもあるPaul E. Kinahan教授(University of Washington)を日本に招聘した際に、ヘルメットPET装置(量研/QSTによる開発)の前で。

ヘルメットPET装置の前で、研究者とPaul E. Kinahan教授が白衣を着てポーズを取っている写真。

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