福島の地で何を学ぶのか?

2011年3月11日に行った東北地方太平洋沖地震に伴い、津波、福島第一原発事故による東日本大震災が起こりました。当時、私は福島県外の大学に所属していました。震災から約1か月後、福島県内において住民へのスクリーニングをはじめとして、甲状腺被ばく検査や環境放射線調査などに参加しました。環境放射線調査では、放射線測定器を車に積んで、放射性物質による環境汚染が重度な地域において空間線量率を測定しました。その際に、地震や津波により道路や住居などの建造物が破壊されている光景を目の当たりにするとともに、これまで見たこともない空間線量率の値を見て、震災の甚大さを肌で感じました。

震災から約3年後に、当学に勤務することになりましたが、授業の一環で原発事故に関する話題を取り上げることがあります。震災を体験した学生や震災に興味を持つ学生もいますが、あまり関心を持たない(持っていない)学生の方が多いように感じています。震災から9年以上経過していますので、関心が薄れてしまうことは仕方がないことかもしれません。医療人として専門知識・技術を学ぶことはあたり前ですが、災害を経験した(経験している)福島の地で何を経験・体験するのか?

上と真ん中の写真は、2011年9月に浜通り北部の山間部と沿岸部でそれぞれ撮影したものです。上の写真では地震により道路が破壊され、真ん中の写真では津波により砂浜が破壊されています。真ん中の写真で中央に見える建物は福島第一原子力発電所です。また、下の写真は、2011年4月に浜通り北部において放射線測定器により測定した空間線量率です。

2011年の東日本大震災後の福島の道路の破壊状況、津波による影響、放射線測定器の表示。

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