- 東川 隆一 (とがわ・りゅういち)
- 医学部 呼吸器内科学講座 助手
- 研究グループ
- 東川隆一、谷野功典、二階堂雄文、佐藤佑樹、河俣貴也、渡邉菜摘、王新涛、福原奈緒子、柴田陽光
今回の受賞について
Asian Pacific Society of Respirology
呼吸器感染症やCOPD、肺癌、間質性肺疾患などの呼吸器疾患を研究し、その進歩・普及を図る目的で組織され、アジアおよびオーストラリアなどを含む環太平洋地域の呼吸器領域の学会です。本学会は、呼吸器疾患研究のさらなる進歩のために年1回国際学会を開催しています。
賞について
APSR JRS Young Investigator Awardとは、APSRに応募したJRS(日本呼吸器学会)会員の演題の中から選考委員の審査によって選考され、受賞者は現地での学会で口頭発表を行い、学会中のreceptionでの表彰式で表彰されます。
概要
DcR3(デコイレセプター3)は、アポトーシスや炎症の抑制を含む免疫調節作用を持つ受容体で、これまでに血清DcR3レベルとARDS患者の予後との関連や肺線維症におけるDcR3のアポトーシスとの関連が報告されています。今回、我々は、ARDSと同様に急性呼吸不全を引き起こす間質性肺炎の急性増悪(AE-IP)におけるDcR3の臨床的役割を検討しました。当院に入院したAE-IPの患者70人を対象に解析を行ったところ、AE-IP患者では、血清DcR3濃度が健常人に比べて有意に高く、血清DcR3はCRP、LDH、SP-Aと正の相関を示し、P/F比とは負の相関を示しました。また、血清DcR3レベル高値群は、低値群に比べ予後が不良でした。以上の結果から血清DcR3は、間質性肺炎の急性増悪の予後因子である可能性があると考えらました。
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 呼吸器内科学講座
電話:024-547-1360/FAX:024-548-9366
講座ホームページ:https://fmu-pulmo.jp/
メールアドレス:ryuichi@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています)