福島県立医科大学 研究成果情報

第27回ヨーロッパ脳卒中会議 研究者賞(平成30年4月受賞)(2018-05-07)

A novel intraoperative laser light imaging to simultaneously visualize visible light and near-infrared fluorescence for indocyanine green angiography

新規レーザー光源を用いた可視光/近赤外光同時表示インドシアニングリーン蛍光血管撮影システム

佐藤 拓 (さとう・たく)
医学部 脳神経外科学講座 講師
        
研究グループ
佐藤 拓1、ムダシル バーキット1、鈴木恭一2、佐久間 潤1、藤井正純1、村上友太1、伊藤裕平1、齋藤 清1   (1. 本学 脳神経外科学講座 2. 福島赤十字病院脳神経外科)

今回の受賞について

ヨーロッパ脳卒中会議(European Stroke Conference: ESC)


 1990年にヨーロッパでは初めて設立された脳卒中の国際会議で、ヨーロッパのみならず、北アメリカやアジアの各国からも研究者が参加しています。ヨーロッパ脳卒中協会は毎年、この会議で発表された演題の中で優秀な研究に対してInvestigator awards(研究者賞)とTravel grants(トラベルグラント)を選出し表彰しています。

概要

 福島県は2012年より復興のために「ふくしま医療機器開発事業」を開始しました。我々はこの産官学連携事業において、脳神経外科手術をより安全に行うための新たな医療機器を開発し、日本国内で市販しております。

 手術の操作により脳への血流が悪化する可能性があります。これまでは蛍光物質を患者さんに投与して、蛍光を認識するカメラで撮影し、その映像をテレビモニターに表示することで脳の血流を把握していました。しかし、これはモニター上で黒色の背景に蛍光のみが表示されるもので、脳の血流は同定出来ますが、脳組織を含めた周囲の状況は把握できませんでした。

 我々は周囲の脳組織や病変部位を観察しながら脳の血流を把握する可視光線および近赤外線同時表示インドシアニングリーン高解像度カメラを開発し、臨床における有用性を示しました。さらに、新たなレーザー光による顕微鏡用光源も開発しました。レーザー光は有害な紫外線を含みません。術者はこの光源により、以前より少ないエネルギーで深部病変を鮮明に確認でき、またこれまでのキセノン光に比べて温度上昇が有意に少ないなどのメリットがありました。今回、これらの機器の有用性が評価されました。

(佐藤 拓)


関連サイト

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部脳神経外科学講座

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