福島県立医科大学 研究成果情報

補体第二経路の活性化におけるMASP-3の役割(2011-08-24)

論文題名 The role of mannose-binding lectin-associated serine protease-3 in activation of the alternative complement pathway.
補体第二経路の活性化におけるMASP-3の役割
著  者 岩城大輔、菅野和子、高橋実、遠藤雄一、松下操、藤田禎三
雑誌名 J Immunol
発行日 2011年8月24日(電子版)
巻(号)、ページ 187(7):3751-8
要   旨
MASPは補体レクチン経路の活性化に関与している酵素である。3種類のMASPがMBLとフィコリンと複合体を形成しており、MASP-1 とMASP-2の役割は知られているが、MASP-3の役割については不明のままである。本研究は、リコンビナントMASP-3とMASP-3欠損マウスを使用して、MASP-3の活性化機構とその基質を検索した。
リコンビナントMASP-3は、MBL-Aとブドウ球菌をインキュベートすると活性化が認められた。MASP-1/3と全MASP欠損マウスでは、ブドウ球菌の貪食率は、野生型と比較して明らかに低下していた。これらは、第二経路の活性化の低下によることが推定された。さらにリコンビナントMASP-3は、第二経路のB因子とD因子の活性化に関与していることが判明した。
これらの結果から、MASP-3は、MBLと複合体を形成し、微生物の侵入で活性化され、この活性化されたMASP-3が、補体第二経路の初期の活性化に関与していることが明らかになった。