緊急被ばく医療

 原子力災害が現在も進行中の福島では、あらゆる被ばく・汚染を伴うあらゆる傷病者が原発内で発生しうると考えて緊急被ばく医療体制を構築しています。被ばく医療について当院では、あくまでも日常の診療手順が基本であり、そこに被ばく医療特有の手順がいくつか加わった、いわゆる応用医療と考えています。そのため、その診療手順についてはJATEC™の診療手順に、被ばく医療特有の手順を組み込み、未経験者でも対応しやすいよう配慮しています。  
 将来的には、CBRNE(C: chemical 化学 , B: bacterial 生物 , R: radiological 放射性物質 , N: nuclear 核兵器, E: explosive 爆発物)と表現されるあらゆるタイプの外来脅威に応用できることを目標の一つとしています。

2022年05月25日

医療活動

 放射線災害医療とは、一般救急医療、緊急被ばく医療、災害医療の三つの視点から事態を判断し、臨機応変に対応する、新しい応用医学分野です。その領域は狭義の医療にとどまらず、要支援者への福祉、住民への保健など広範にわたります。災害亜急性期以降の医療は、まさに究極の地域医療にほかなりません。日常は一般救急診療に携わる一方で、東日本大震災で露見した種々の課題を抽出・改善して、それを広く国際社会に還元する使命をもちます。

2022年05月25日

教育・啓発活動

 救急・災害・緊急被ばく医療領域の応用医療、並びに医療・福祉・保健領域にまたがる危機対応医学、を確立し体系化することを目標に活動しています。科学的根拠に基づくEvidence basedな内容は勿論のこと、福島事故の経験と反省を踏まえたNarrative basedな内容もバランスよく含み合わせた、当学ならではの教育啓発活動を目標としています。 
 学内・院内の学生や職員のみならず、広く国内外の教育・行政機関向けに教育・啓発活動を行っております。 
 授業・実習やセミナーでは、参加者の皆様に主体的に関わって頂けるように、意見交換の時間に加えて、webを介した双方向性コミュニケーションツール、PC上でアバターを操作する実習ソフトウエアなどを用います。 
 現在、以下の学外機関・施設と定期的に教育・啓発活動の連携を行っています。
講義・実習・セミナー等の受託・連携施設(定期連携の施設のみ)
・長崎大学医学部
・産業医科大学
・山梨大学医学部
・東北医科薬科大学
・防衛医科大学校
・広島大学大学院
・山形大学大学院
・原子力災害医療研修(原子力規制庁主管)

2022年05月25日