ご挨拶


主任教授 長谷川有史

 当講座は「放射線災害」を掲げる本邦初の講座です。放射線災害医療とは、一般救急医療、緊急被ばく医療、災害医療の三つの視点から事態を判断し、臨機応変に対応する、新しい応用医学分野です。その領域は狭義の医療にとどまらず、要支援者への福祉、住民への保健など広範にわたります。日常は救急診療に携わる一方で、東日本大震災で露見した種々の課題を抽出・改善して、それを広く国際社会に還元する使命をもつ、当学を特徴付ける講座の一つです。
 災害慢性期の医療は、究極の地域医療にほかなりません。従って現在は国内外の医科学、産業技術、環境、社会学関連組織と連携して、東日本大震災の反省を踏まえた医療・保健・福祉体制づくりのための種々の研究を行っています。